尿の中に含まれる蛋白の1日合計量が150mg以上の場合を蛋白尿といいます。健診では試験紙を尿に浸して検査を行うことが多く、(-)陰性、(±)疑陽性、(+)陽性と表記され(+)が出たら蛋白尿です。蛋白尿は腎炎や腎症などの腎臓病や多発性骨髄腫、膠原病など腎障害に関連した病気の可能性を示す所見です。ただし、水分をあまり摂らず脱水や濃縮尿で(+)となる場合や起立性蛋白尿と言って立位、運動などが刺激になり病気でないのに一時的に(+)となることもあります。健診で蛋白尿と言われたら、まずはかかりつけ医に相談して尿の再検査を受けましょう。もしも蛋白尿が持続していて詳しい検査が必要な場合は、専門医へ紹介してもらうことができます。
おしっこをし始めてから終わるまでの時間はどれくらいかご存じでしょうか? 日本人で調べた研究によると男性は29秒、女性は18秒との結果が出ました。人以外の哺乳類でも調査がなされています。体重が3kg以上の哺乳類の排尿時間は体の大きさに関係なく約21秒だそうです。人も哺乳類。日本人で御高齢者を除いて集計すると、なんと21秒前後になるそうです。実に神秘的な結果ですが、哺乳類の生存においては重要な意義があるのかもしれません。実際に排尿が30秒以上かかる人に病気が多いことも分かっています。
1日の塩分摂取は、男性7.5g未満、女性6.5g未満。これは厚生労働省が推奨している最新の基準(2020年)です。実はそれより前2015年の基準より男女ともに0.5g厳しくなりました。どうして厳しくなったのか。WHO(世界保健機関)では1日5g未満を推奨しています。しかし5g未満を達成できている人はほとんどいないので日本では現実可能な目標が認定されました。塩分過剰は高血圧をきたし、脳卒中、心筋梗塞、腎障害の原因となります。その高血圧治療には6g未満が望ましいことも知られています。日本人の塩分摂取量は年々減少傾向あります。だからもう少し厳しくてもやれるのではないか、というのが基準変更の理由のようです。それでもしかし、まだやや甘い。
しっかりと尿を出し切った後、少量の尿漏れにより下着やズボンを汚してしまう追っかけ漏れ。その正体は排尿後の尿道に残った尿と考えられています。男性の尿道は奥の方で曲がっていて尿がたまりやすい形をしています。加齢により尿道周囲の筋肉や神経が衰えることで、排尿後の尿道内に尿が残るようになり追っかけ漏れが起りやすくなります。
対策として排尿後に会陰部を圧迫して残った尿を押し出す方法があります。それでも改善しない場合は前立腺や膀胱の病気の可能性も考えらえます。病気の場合は治療をすると良くなることがあるので泌尿器科へ相談してみましょう。
寒い季節がやってきました。「こんな寒い日には、あったかいお風呂につかりたい」。この言葉の中に潜んでいる危険、みなさんご存じですか? 寒い脱衣所に行くと血管が縮んで血圧が上がり、その後すぐに熱めの湯船に浸かると、今度は血管が拡張して血圧が下がります。この変化が急激な場合にはショック症状が起き、時に命取りになることもあるのです。これをヒートショックと呼びます。脱衣所や浴室を事前に温めておく、お湯を熱くしすぎないなどご注意を!
メリークリスマス! 今年も1年ありがとうございました。新しい年は素敵な1年になりますように。
高度な蛋白尿や糖尿で異常な泡立ちを来すこともありますが、実際の臨床の場では無害な泡立ちがほとんどです。暑い時期や運動などでたくさん汗をかいた後や、水分補給が不足した時には尿が濃くなり泡立つことがあります。高タンパク摂取の食事の後では尿が酸性に傾き泡立つことがあります。これら無害な泡立ちは、たいてい時間とともに消えてゆきます。季節や運動と無関係に尿の泡立ちが認められる場合や、いつまでも続く細かな泡立ちは病気の可能性があります。その場合は医療機関の受診が勧められます。
食後の薬は、胃の中に食べ物が残っている間に服用します。胃を傷めないようにするのが目的です。食べてから胃の中のものが消化されるのに30分ほどかかるため食後から食後30分までの間の服用がすすめられます。そしてコップ1杯(約200ml)の水で飲むこと。飲水量が少ないと吸収が悪くなります。またアルコールやお茶、牛乳、清涼飲料水で飲むと薬の成分との相互作用により目的通りの効果が得られないことがあるので注意しましょう。熱いお湯で飲むと薬が分解してしまう恐れがあるので必ず水か白湯で飲みましょう。
健康診断で尿潜血と診断される人は少なくありません。しかし二次検査を行うと8割以上の方には異常が認められません。尿潜血と言われても直ちに心配をする必要はないということになります。しかし、3%ほどではありますが癌や腎炎など重大な病気が見つかることもありますので病院受診はしておいた方が良いでしょう。また、尿潜血の中には数年以上経過してから病気が判明する場合もあります。初回の検査で異常がなかった場合でも健診などによる経過観察は大切です。
足のむくみは、ふくらはぎの筋肉の衰えが主な原因です。運動不足で足の筋力が低下すると足の血液やリンパ液を上半身へ押し上げるポンプの機能が働かなくなるため足はむくみます。塩分の摂りすぎもむくむ原因となります。塩分は体内で水をため込みやすくする性質があるのです。それゆえ運動で筋力を鍛えポンプ機能を高めたり、たまった水を押し上げるよう足の表面を手でなでてポンプの動きを補助してあげたり、塩分の摂りすぎに注意をすることで足のむくみを減らすことができます。仰向けに寝て足を高くして動かすのも効果的です。ただし、それらによっても改善しないむくみは心臓や腎臓、血管などの病気の可能性も考えられます。その場合はかかりつけ医に相談するのがよいでしょう。