尿に糖が出ていると言われてまず思いつくのは糖尿病。尿の糖は病気でなくても見られる場合はあるのですが、それでもやはり尿に糖が出ているというのは、あまりいい気分がしません。それなのにあえて尿に糖を出し、しかもそれが腎臓病の治療になるとは、いったいどんな薬なのか。
尿に糖を出す薬(SGLT2阻害薬)は、以前より糖尿病治療薬として使われています。血液中の糖は、腎臓の中の糸球体という老廃物排泄フィルターから、いったんは血液の外へ流れ出てゆきますが、その後は尿細管という老廃物を仕分ける経路で再吸収され、血液の中に戻ってきます。SGLT2阻害薬は、尿細管での糖の再吸収を抑えてそのまま尿と一緒に排出させることで、血糖値を下げ糖尿病を改善させます。そして、この仕組みは血糖値を下げるだけではなく、なんと腎臓機能を保護する働きもあることが判明したのです。さらに、余分な糖を排泄することで肥満を予防したり、心臓を保護する作用を持ち合わせたりするな ど、現在は糖尿病以外にも多くの用途で用いられるようになりました。尿に糖が出るのも悪くはないどころか、この場合はとても良いのです。
ただし、SGLT2阻害薬には、頻度は少ないのですが脱水や尿路感染症、性器の感染症、 低血糖などの報告があります。 また、全ての腎臓病に効果や適応があるわけではありません。 使った方が良いのかどうかは、 かかりつけ医や専門医に相談しましょう。
皮下脂肪や内臓脂肪の大部分は自色脂肪と言わ れて体内に取り込んだエネルギーを貯蔵する働きを持ちます。一方で褐色脂肪なる細胞があります。寒い時など白色脂肪を燃焼させて体温を上げる機能を持ちます。脂肪を燃やすので上手くゆけばダイエットに役立つはず。
褐色脂肪は、主に鎖骨や首、脇の下、肩甲骨の近くに密集しています。そのため首や肩、肩甲骨をよく動かしたり、 保冷剤などで短時間寒冷刺激を与えたりすることで細胞が活性化されるそうです。 また、唐辛子、にんにく、 しょうが、わさび、ミントの摂取でも活性化されるとのこと。このことを心がけて毎日を過ごせばダイエットができるかも。ただ、褐色脂肪は加齢とともに大きく減るそうです。
なにゆえ食欲が秋に特化されたのか。調べてみると諸説あるようです。秋は農作物の収穫時期であるとか、中国の唐の時代の「天高く馬肥ゆる秋」という、言葉が日本へ伝わったとか。 また、気温低下に対して体温を保つための基礎代謝を高めるべく食欲が増す、日照時間が短くなり満腹感に関わる幸せホルモンのセロトニン分泌が減少するため食欲が増すなど生理反応としての説明もなされます。
食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋。いろんな秋がある中でも特に注目されがちな食欲の秋。スポーツや読書、芸術にも精を出して太りすぎに注意しながら秋を楽しみましよう。
誰かがあくびをしているのを見ると、つい自分もあくびをしてしまうことがありますよね。あくびはどうしてうつるのか、諸説あるようですが、共感説や行動伝染現象とも言われます。
人が笑っていたらつられて笑ってしまうとか、泣いてる人を見たらもらい泣きしてしまうとか。あくびは、あくび映像を見たり、あくびのことを考えただけでもうつります。他人に対する共感や関心の低い4歳以下の幼児ではうつらず、他人よりも友人、友人より も家族の方がうつりやすいというデータもあります。さらに驚きなのは、人から犬にもうつるのだそうです。他人のあくびよりも飼い主のあくびの方が犬にうつりやすいことも分かっています。
とにかく暑い。温度計を見るまでもなく多くの人がそう感じる今年の夏。でも、温度計はこまめに見ることがおすすめ。人は歳をとると体温調整機能が落ちてくるため暑さを感じにくくなり、熱を逃がす体の反応も低下し、熱中症の危険が高くなります。自分はまだ若いと油断していると、めまいや立ちくらみ、体のだるさや吐き気を一気に通り過ぎ、突然意識がもうろうとし、想定外の熱中症に陥ることも。エアコンの温度設定ではなく、室内温度計が28度を超えないようなエアコン調整を。エアコンのない場合は、冷風機の利用や換気、遮光を工夫しましょう。そして風通しのよい涼しい衣類を選び、十分な水分摂取も心がけましょう。
「函館名物いか踊り。いか刺し、塩から、いかソーメン。もひとつおまけにいかぽっぽ」「ザ・函館の夏」ですね。いかは美味しいですよね。しかし、いかは美味しいだけではなく栄養価も満点。疲労回復や肝臓機能を正常化するタウリン、抗酸化作用のあるビタミンE、冷え症や肩こりによいナイアシン、血液サラサラDHA・EPAなど多くの栄養素が含まれています。もひとつおまけに高タンパク、低脂質なのでダイエットにもおすすめ。ただ、コレステロールが多いため食べ過ぎには注意が必要ですが。今年もいか踊りで盛り上がったあとは、いかを食べて疲労回復、血液サラサラ。
温和で控えめ、慈悲深く目上の人を敬い、家族を大切にする人が多い国ミャンマー。怒ることを厭い、穏やかさを尊ぶ仏教徒の多い国。日本人だって家族を大切にするし、穏やかだし仏様を拝んでますと言いたいところですが、実生活ではそうもゆかない場面が多々あるでしょう。日本と似ていて非なる国ミャンマー。
先月から若きミャンマー人2名が当院のスタッフとして加わりました。若さと慈悲深さと国の代表として選抜された聡明さを兼ね備えた無二の逸材。私たち自らの研鑽と地域の活性化への期待が膨らみます。世界平和への貢献までは至らずとも、若き異邦人の夢が叶うよう応援します。
鼻毛の第1機能は、みなさまご存じフィルター機能です。ホコリや病原体が体内に入り込むのを防ぎます。鼻毛に引っかかった異物は鼻水に混ざり外へ排出されます。
鼻毛の第2機能は、鼻の中の乾燥防止。鼻呼吸により鼻毛は水蒸気で湿ります。鼻の中が乾燥しそうな時、この水蒸気で加湿してくれます。聞けばなるほどねという感じ。
そして鼻毛の第3機能。鼻毛の中には嗅毛(きゅうもう)と呼ばれる匂いセンサーが備わっているものがあり、なんと鼻毛自体が匂いを嗅ぎ分けます。驚きですね。とても大切な鼻毛ですが、切ったり抜いたりしてよいのでしょうか。鼻の穴から0.5~1cmくらいなら問題ないそうです。逆に伸ばし過ぎはマナー違反になるかもしれずご注意を。
サウナブームが続いています。サウナーと呼ばれるサウナ愛好者も増えているといいます。サウナで汗を出して心も体もすっきり「ととのう」訳です。しかし、高温のサウナに入りその後は水風呂に飛び込む。危険はないのでしょうか。サウナの本場フィンランドではたくさんの調査がなされ健康被害は最小限であり、むしろ健康へのメリットがあることも示されています。しかし、日本で一般的な乾式サウナは、異常な高温状態となっていることがあり急な体温上昇、血管拡張による低血圧、発汗による脱水、そしてサウナ後の水風呂による急激な高血圧。様々な危険が考えられます。特にサウナを始めたばかりの方は、短い時間から始めて、水風呂前には一段ぬるめのお湯をかぶるなど用心してととのいましょう。
12月のコラムは冬バテでした。夏バテはよく耳にしますが、冬バテはあまり聞いたことがなかったでしょう。そして今回は、なんとまさかの春バテです。春は季節の変わり目で気候の変化に体がついてゆかず心身の不調を来します。それだけではなく新しい職場や環境などの変化でストレスの多い時間でもあります。自律神経が適正に作動せず、疲労、だるさ、頭痛、イライラ、筋肉のコリがつのります。これが春バテ。春バテから身を守るには、日々の気候に合わせた服装を選ぶこと。適度な運動で体を動かし食事はなるべく規則正しく。春バテせず元気に春を楽しみましょう。
実は、今がまさにその予防月間の真っ最中。日本生活習慣病予防協会が生活習慣病予防に対する意識の向上と健康寿命を延ばすことを目指して毎年2月を全国生活習慣病予防月間と定め啓発活動を行っています。
そのスローガンとして掲げているのが「一無、二少、三多」。一無は、無煙=禁煙のすすめ。自分だけではなく周りの人の健康を守るためにも禁煙に取り組みましょう。二少は、小食・少酒。暴飲暴食の逆ですね。生活習慣病予防の基本。三多は、多動・多休・多接。体をよく動かす、そして適正な睡眠を取る。多くの人や物事に接して心の健康を育む。健康に長生きしましょう。